第94章 現代版柱稽古
ざっと言うとこうだ。
『春風さんと優鈴の二人で行動してもらって、春風さんが気配察知や未来予知で居場所を特定、なんでもお見通しの優鈴が私たちに指示を送る。』
ということだ。
「相手チームにいる阿国は氷雨さんや木谷さんよりも強い力を持つ。あの子一人でお二方より正確な索敵をしてくるでしょう。」
「恐らく相手も同じ作戦…ってことですか。」
「じゃ、じゃあどうするんですか…?」
「相手はゴリゴリパワー系。同じ作戦はあまりにも厳しすぎる。…だから。」
優鈴はビシッと指をたてた。
「俺たちは戦わずに逃げる。」
「「「「「えっ」」」」」
「負けるのわかってて突っ込みたいなら止めないけど。まあ好きにしていいよ。俺たち五人でうまくやる。」
五人…つまり、私と優鈴、氷雨さん、縁壱さん、しのぶである。優鈴は密璃を早々に戦力外としたようだ。
「それで、はどれくらい動けるの。」
「…全盛期の半分くらい。」
「なら上等だね。お前の言うとーり、勝算がゼロではなさそうだ。」
優鈴が厳しい顔をする。
「わっ、私、頑張って逃げます!正直、先輩以外、あなたたちのことはわからないけど…学園長の前だもん!絶対勝ちます!」
えいえいおー!と密璃が威勢良く声をあげた。