第93章 現代版柱合会議(仮)
ぐいぐい口角をあげられてそろそろ痛い。
あぅーあぅーと悲鳴をあげていると、部屋の扉が開いた。
「おや、楽しそうだね。」
「学園長」
あまねさんがパッと私から手を離した。
「……あの、実は楽しんでませんか?」
「とんでもないです。」
表情は変わらないけど少し声が上ずっている。あとめっちゃ目をそらされた。
「何か話していたのかい?私も混ぜてほしいな。」
それに続いて学園長がそんなことを言うので変な汗が出てきた。
あまねさんがうまいこと断ってくれないかと祈りながら、そっと目を閉じた。
「女の話です。あなたも混ざるのなら話題を変えましょうか。」
「良いね。何の話をしようか。」
学園長はにこにこ笑いながら私の向かいに座った。
(えー……??????)
何だこの状況。許されるのなら今すぐ逃げたい。ビックリしすぎて涙が止まった。
「 は何の話がしたい?」
「えっ」
急に話題を求められ、必死に頭を回転させた。
「…………………………………………猫とかどうです?」
色々考えすぎたせいか一周回って家で飼ってるおはぎの顔が頭に浮かんだ。
「いいね。」
「いいんですか。」
まさかまさかであっさりと笑顔で受け入れられた。
「は家で飼ってるんだったかな。」
「はい。おはぎっていう。」
「なるほど、実弥が溺愛してるのも納得だね。よく話してくれるんだよ。」
「猫といえば、学園にも野良猫がいますね。悲鳴嶼先生が可愛がっていらっしゃいます。」
なんでこんなに盛り上がってんのこの人たち。
明らかにこの状況が異常だろう。なんで呑気にできるんだろう。私の緊張伝わってないのか??
「私がここの生徒だった時もたまに見かけましたね…猫…。」
「実弥は犬派だと思っていたんだけどね。学校近所を散歩している犬を可愛がっているから。」
「…動物ならなんでも好きなんだと思います。」
優しい人だし…。と苦笑する。
外で待つ実弥たちが気がかりだが、たまにはのんびり話すのもいいかもしれない。