第93章 現代版柱合会議(仮)
というわけで、あまねさんと私の二人で部屋に残った。
「どうぞおかけください。」
「ありがとうございます。」
そう言われてあまねさんの向かいに座った。
「話って鬼のことですか?それとも儀式?宇髄さんのダイナマイト爆破ならその時は外にいたのでわからないです。」
「全然違います。」
「あ、はい。」
もう黙っておこうと思って口を閉じた。
「最近、どうですか。」
「……えっ」
重々しい空気のなか聞かれたのはそんなことだったので、思わず声をあげてしまった。
「さ、最近?」
「はい。家での様子や、不死川先生とのこと。何でも良いです。」
「………んー…」
そう言われてもすぐに答えられない。しばらく考え込んでから口を開いた。
「よく夢を見ます。それ以外はなにも。仕事もまだできてないですし。」
「夢?」
「はい。夢は以前からよく見ます。前世のことが多かったです。でも最近は海行ったり山行ったり、普通の夢です。」
「……そうですか。」
あまねさんはふんふんと頷いた。
「体調はどうです?」
「たまに気だるいくらいで良好です。」
「本当ですか?」
「…もうそういうことで嘘はつきません。実弥がすごく怒るんです。」
ついこの前のことだ。
心臓が止まったり産後だったりして定期的に病院に行っていたのだが、ちょっと数値がおかしかったことがあった。
大したことないと思って実弥に黙っていたのだが、私の検査結果を見つけた彼がこれでもかと言うほど怒った。
ふざけるなとかいい加減にしろとか散々言われて、もう怖すぎた。
「忙しそうだったから黙っておこうかと思ったんです。体調はすぐに良くなったから。それでもすごく怒られました。」
「……昔、どこかでよく見た光景ですね。」
そう言われては弱い。私は昔から怪我や熱を隠したりしては周りの柱たちに怒られていた。