第93章 現代版柱合会議(仮)
彼女が待つ部屋に行くと、いつも通りの澄ました優しい表情であまねさんがそこにいた。
「すみません、教頭先生。見ていて下さってありがとうございました。」
「いえいえ。一度も泣きませんでしたよ。良い子でした。」
あまねさんの腕の中で赤ちゃんはぽやっとした顔をしていた。ぐずったりしなかったみたいでホッとしていると、あまねさんは実弥ではなく私に赤ちゃんを渡してきた。
この子と暮らして数ヶ月だけど、私はいまだに上手に対応ができなくて、実弥に頼ってばかり。
抱っこ嫌だなぁ、と思っていると私に代わった瞬間、案の定赤ちゃんは泣き出した。
「ええええええん、えええん」
…泣いた
初対面のあまねさんでも泣かないのに私で泣いた
「何か??????????」
実弥とあまねさんが気まずそうに私を見つめてきたので強気に返した。
「会議は無事に終わりましたか。」
「はい。」
「では不死川先生、私は霧雨さんに話がありますので、少々お時間よろしいでしょうか。」
「構いませんが…だけにですか?」
「ええ。色々と。」
おそらく彼は、鬼のことについてだと思ったのだろう。
「わかりました。先に外に出て待ってます。」
実弥はそう言って泣き喚く赤ちゃんを私の代わりに抱き上げた。その瞬間に泣き止んだので、またしても気まずい空気が漂った。
「う、う、うー」
「ん?」
「うぁう」
なんか喋ってるなーと思っていたら、赤ちゃんがじーっと私を見つめているので手を振ってみたらまた泣いた。
よしわかったもう何もしないから実弥と一緒に外に行ってくれたまえ。