第93章 現代版柱合会議(仮)
その様子を見て、優鈴がため息をついた。
「僕は気持ちを知りたいとは言ったけど、喧嘩はしろとは言ってないよ。まあ、とりあえずこれでみんなの意見はわかった。…会議室が犠牲になったけど。」
優鈴は今さっきやってきた私たちを見て説明してくれた。
「ほとんどの人が殺す派かな。冨岡くんやカナエさんが生かす派。そんな感じ。は殺すで無一郎くんは生かすで良い?」
「…はい、そうです。」
私は頷く。
「とりあえず、鬼のことは今一度みんなに考えてもらいたい。いつか、会ってもらうことになると思うから。勘違いしないで欲しいけど、別に君たちに手を下せとは言っていないからあまり興奮し過ぎないように。」
優鈴はじっと宇髄先輩を睨んだ。
「会議室がこんなことになってしまったので早めに話すよ。最初に二つ話があるって言ったの覚えてる?二つ目のことを話し合うからよく聞けよ。どこかの誰かのせいで青空会議になったかんな。」
やはり優鈴は宇髄先輩を睨んでいた。なんなら中指を立てていた。
「儀式のことな。舞を奉納してもらうけど、もうこんな良い時代だから誰も呼吸の練習なんてしてないだろ。だから産屋敷全面協力のもと稽古を行うことになった。
難しいことはしないつもり。ちょっとハードかもしれないけど、まあいける。あくまで目的は戦闘ではなく儀式だから、そこら辺の力加減は考えるように。」
「稽古ってことは、みんなで型を確認しあうとか?」
「いや…ちょっと違う。」
私の質問に優鈴は首を横に振った。
「稽古だから、実践形式で取っ組み合う感じのやつ。」
「え、戦闘訓練じゃないんじゃ…。」
「そうだけど、実践形式の方が思い出しやすいでしょ。」
「うん、まあ…。」
それはそうだけど難しそうだな…。
「僕が言いたいことは以上。宇髄は居残り、あとは解散。気をつけて帰ってね。」
優鈴は宇髄先輩の襟首を掴んで血走った目で睨んでいた。…そりゃ怒るよな。自業自得だ。