第93章 現代版柱合会議(仮)
しばらくそうしていると落ち着いたのか、いつもの無一郎くんに戻った。
「ごめんなさい、師範。…僕、戻ります。」
「うん。…ありがとう。」
ぎゅっと手を握ると、無一郎くんは目を閉じた。
「師範の手、好きです。安心する。」
「…そう、かな。」
「はい。」
こんなに慕ってくれてありがたいけれど、申し訳なくなる。
「昔の話ですけど、僕が熱を出した時に看病してくれたことあるじゃないですか。」
「……えっ?」
……あったっけそんなこと?
あー、そうか。うん。そんな気がしなくもないようななくもなくもなくもない?うん?
「あの時、師範の手って不思議だなって思って。撫でてもらうだけで熱が下がった気がしたんです。」
「…気のせいだと思うよ。」
「そんなこと…あっ、あと師範の背中も好き。おんぶしてもらいました。」
「したかな。」
…それはなんとなく覚えているかもしれない。
「んじゃ、会議に行きましょうか。」
「はい!」
よくわからないけど落ち着いたし機嫌も良くなったみたいなので無一郎くんの手を引いて一緒に会議室に帰った。
「ただいま戻りましたー。」
ノックしてドアを開く。すると、会議室の中からシャーペンがハイスピードでぶっ飛んできたので反射的に避けた。
「何やってるの?」
会議室はグチャグチャのメチャクチャだった。
優鈴が暴れているのかと思ったが、違う。彼はおとなしく部屋の真ん中にいる。
そしてなぜか会議室が半分大破していてほとんど青空教室みたいになっていた。
「宇髄先生が盛り上がっちゃってダイナマイト投げたのよ〜」
「なんて??」
カナエが説明してくれたけどマジで意味がわからなかった。
え、みんな驚いてないけどこれって日常茶飯事なの?
「だーかーらー!殺した方がいいだろうが!鬼だぞ!?」
「殺す必要はない。もう鬼殺は時代に合わないし、時透が言ったように監視するなどすれば良い。」
意外にも宇髄先輩と冨岡くんで言い合っているようだ。