第93章 現代版柱合会議(仮)
私もピキッた優鈴の相手なんてしたくないのでとりあえず真面目に話を聞いてる体を装うことにした。
内心、鬼のことでボロを出すんじゃないかと冷や汗が止まらないけど。
「じゃあむいちろーのシハンはどう思うんだ?」
おい待てイノシシ私に振ってくるんじゃない。
「伊之助くん…別に私の意見は「だってむいちろーはお前の言うことしか聞かねぇんだろ。」」
こんな時だけ的を射てくるな。
「……私も斬る派かな。派手に。」
「師範!!何言ってるんですかダメですムグッ!!」
私以上に無一郎くんがばらしてきそうなので口を手で塞いだ。
「やっぱり鬼だもんね。鬼…うん。」
「ほらみろ!お前の師範も人の心がねえってよ!!」
「ムーー!!!」
宇髄先輩お願いだから黙ってて!!!
「俺も斬っちまった方が良いと思うが。」
「不死川さんまで!?そんなこと言うなら離婚しちゃえムグッ」
「すみませんちょっとこの子を落ち着かせたいので離席します。いいよね?」
優鈴に聞くと、首がもげるんじゃないかってくらい頷いてた。
霞守くんを通して事前に鬼が私であることを伝えてあるから、それをばらされたらまずいと思ってるのだろう。なんなら早く出ていけと顔が物語っていた。
これ以上何か言われる前にとっとと会議室を後にして、少し離れた空き教室で話し合うことにした。
二人きりになったところで、無一郎くんは私の手を振り払って怒鳴った。
「ひどいです、師範!」
それは私を避難する言葉だった。
「僕の気持ち知ってるくせに!何であんなこと言ったんですか!?みんな、鬼って聞いたら生かさないって判断するの知ってますよね!?
事情を隠すなんて意味が分からない!!鬼が師範だって知ったらみんな殺そうなんて言わないのに!!」
ありったけの感情が込められた言葉は、私の心を殺すようだった。
それでも私はじっと彼の目を見つめた。そうでなくては会議室から引っ張り出した意味がない。