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loop-ループ-いつか辿り着く世界【鬼滅の刃】

第5章 街へ



「煉獄さん、馬車の乗場はあっちですよ?」
「うむ、少々遅くなってしまったからな、帰りは人力にする」
「人力?」

人力と聞いて頭に浮かぶのは京都辺りで見掛ける人力車だが、人より馬の方が断然速いのでは?
謎の台詞に首を傾げていると、人通りの少ない路地へ入った途端にヒョイと抱き上げられた。

人力って、これか!?
何度かこうして運ばれているとはいえ、この密着体勢には慣れない。
というか、これだから自分の顔の良さに無自覚な人間は困るのだ。
顔が近いんだってば!!

「れ、煉獄さん!?」
「乗合馬車だと遠回りの道を走るし、降りてからも暫く歩くからな!この方が一等速い!」
「ちょっ・・・待っ・・・!」

グンッと圧が掛かり、息を飲む。
人一人抱えているのにもかかわらず、煉獄さんは身軽に建物の屋根へと跳躍した。
建物から建物へと煉獄さんがジャンプする度に、胃が浮く様な、カクッと力が抜ける様な感じがして、まるでジェットコースターに乗っているかの様だ。
風圧から顔を背ける様にして目をつぶり、必死で彼の太い首にすがり付くと、微かにハハッと笑う声がした。

「もう!何、笑って、るんです、か!」
「いや、可愛らしいと思ってな!」
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