第4章 ギフト
また私は皆に迷惑を掛けてしまっている。
走り去る善逸君の後ろ姿に、ごめんなさいと心の中で詫びた。
「さあ部屋に戻ろう。苗字、立てるか?」
腕を引かれて立ち上がった迄は良かったが、立ち眩みを起こしてよろめいた。
身体に力が入らなくて、側で煉獄さんが支えてくれなければ倒れていたかもしれない。
「うむ、部屋まで歩くのは無理そうだな。やはり俺が抱えて行こう」
「え、あの・・・」
「失礼する」
少し座って休めば歩ける様になるかも、という言葉が私の口から紡がれる前に、煉獄さんは私を抱き上げた。
数日前に経験済みとはいえ、お姫様抱っこはハードルが高いなと改めて思う。
しかも、今回は炭治郎君と伊之助君というギャラリー付きである。
「あの、煉獄さん・・・時戻りって何ですか?」
ふと、先程の煉獄さんの言葉が気になった。
この突然の不調と何か関係があるのだろうか。
「それについては後程話そう。今は君の状態を胡蝶に診てもらう方が先だ」