第4章 ギフト
転ぶーーーっ!
一瞬後に来る筈の痛みに身を強張らせ、私はギュッと目を瞑った。
ところが、フワリと何かに背中を支えられ、私の身体はそっと椅子に戻される。
「いっ・・・たく、ない?」
ソロリと瞼を持ち上げれば、いつの間にか煉獄さんが隣に居て私の顔を覗き込んでいる。
「あれ?」
「大丈夫か?苗字」
何が起こったのか分からずにポカンとしたまま頷けば、直後に善逸君が大声で伊之助君を怒鳴り付けた。
「コラァ!何やってんだこのクソ猪!!」
そのままボカッと善逸君に殴られた伊之助君は、いつの間にか手にしていた干菓子の入った巾着を床に落とす。
「何しやがンだテメェ!」
「こっちの台詞だこの馬鹿!名前さんに何してくれやがんだこの野郎!!」
「ああーん!?知るか!コイツが勝手にひっくり返りそうになったんだろーが!」
「や、止めないか二人とも!」
炭治郎君が喧嘩する二人を止めようと間に入っていく。
と、その時、床に落ちた巾着を伊之助君の足がグシャッと踏んづけた。
「っ!?」
それを目にした瞬間、私の視界が真っ暗になった。