第4章 ギフト
煉獄さんから頂いた小さな巾着袋には、カラフルな小粒の干菓子が詰まっていた。
「わぁ、可愛い。何だか食べるのが勿体無い位だなぁ・・・」
皆でお茶をする時のお茶請けにしようか。
でもその前に、少しだけ味見してみようかな。
「煉獄さんいつもお菓子くれるけど、この時代のこういう甘味って貴重だよね・・・」
一粒だけ取り出して手の平に乗せて眺める。
淡いピンク色の花を模したそれはとても繊細で、ほんの少しでも力を込めたら砕けてしまいそうだ。
パクリと口に含めばシュワッと溶けて優しい甘さが口の中一杯に広がる。
「ん~~~・・・おいし」
両手で頬を押さえて悶えていると、此方に顔を向けた煉獄さんとバッチリ目が合った。
だらしなく緩んだ表情を見られてしまい、カーッと顔が熱くなる。
「あーーー!!アイツ何か旨そうなモン食ってる!俺にも食わせろー!!」
「わっ!」
伊之助君が大声を上げて私を指差し、そのままドドドと勢い良く駆け寄ってきた。
驚いて仰け反った私は、バランスを崩して椅子から転げ落ちそうになる。