第4章 ギフト
「よもや!此処に居たか苗字!」
声がして道場の入り口を見ると、小さな巾着袋を手にした煉獄さんが立っていた。
ハッとして壁に掛かる時計を見ると、針は一時半を指している。
そういえば昨日煉獄さんのとこの烏さんが、今日のお昼過ぎに彼が蝶屋敷へ来ると言っていた。
「煉獄さん!」
破裂させたひょうたんの破片を片付け終えた炭治郎君が笑顔で彼に駆け寄る。
「うおおおおー!ギョロギョロ目ん玉!俺と勝負しろー!」
「ハッハッハッ。相変わらずだな君達は!」
「ぐあっ!?」
鼻息荒く突撃した伊之助君は、笑顔の煉獄さんに一瞬で撃沈された。
「じゃあ、俺はそろそろこの辺で・・・ひぃっ!」
吹っ飛ばされた伊之助君を見て、サーッと顔を青くする善逸君。
ソロソロとこの場から逃げようとした所を、煉獄さんにガッシリと首根っこを掴まれる。
「うむ、三人揃って鍛練とは感心感心!どれ、少し稽古を見てやろう!」
「いぃぃぃぃーやぁぁぁあああー!」
汚い高音が道場に響き渡った。
善逸君、御愁傷様です。