第3章 鬼殺隊と鬼
「ごめんなさい、煉獄さん。私・・・私はずっと、貴方達に黙っていた事があるんです」
いよいよ腹を括る時が来たのかもしれない。
今までずっと未来の事を黙っていたのは、過去の人間に未来の事を告げるのが得策ではないと思っていたから。
その所為で未来が悪い方へ変わってしまったら、取り返しが付かない。
頭のおかしい人間だと思われるかもしれない。
信じて貰えずに、あの優しい人達が離れていってしまうかもしれない。
だけど、それでも・・・!
「私は、この時代の人間じゃないんです!今より百年以上先の時代を生きていた人間なんです!」
縮こまる様にして頭を下げて、私はそのまま蹲った。
ギュッとスマホを握り締めて胸に抱いたまま、誰の顔も見る事が出来ない。
「ずっと黙っててごめんなさい!ごめんなさい!」
鼻がツンとしてきた。
親切なこの人達をずっと騙してきた事になるのだと思うと申し訳なくて、瞑った目から涙が滲んだ。