第3章 鬼殺隊と鬼
「次に外出の機会があれば、甘味でも食べに行こう!」
「・・・え?」
「この前買ってきた豆大福の店はみたらし団子もうまい!君もきっと気に入ると思う!」
「・・・それは、美味しそうですね」
・・・煉獄さんは、どうしてそんなに私の事を気に掛けてくれるんだろう?
前から不思議に思っていた事だった。
例えばこれが、炭治郎君達ならまだ分かる。
彼等の拠点は蝶屋敷らしいので、任務の無い時は同じ敷地内に居る。
当然顔を合わせる機会は多いし、優しい彼等が私(記憶喪失の怪我人)を無視は出来ないと思うから。
だけど、煉獄さんはそうじゃない。
彼の拠点は多分彼の家で、蝶屋敷とはそれなりに距離がある筈なのだ。
それなのに煉獄さんは三日と空けず、私のお見舞いに来てくれている。
任務で来れない日は、態々彼の鎹鴉が手紙や花等を届けてくれた。
"柱"で多忙な人の筈なのに。