第3章 鬼殺隊と鬼
「診察は終わりましたので、お連れしても大丈夫ですよ。但し、移動速度には呉々もお気を付け下さいね、煉獄さん」
「相分かった!」
お二人共、堂々と本人そっち退けでお話されてますけど、私に決定権は無いって事ですかねぇ。
「あのー・・・お館様というのは?」
そろりと挙手をしつつ尋ねれば、しのぶさんはいつもの笑顔で答えてくれた。
「お館様は産屋敷家の御当主、つまり我々鬼殺隊の中で一番偉い方なんですよ。当然の事ながら、謁見できる者は極一部の限られた人間だけです」
「ひぇっ・・・わ、私、そんな凄い人に会いに行くんですか!?」
「うむ!お館様はとてもお優しい方故、気負う必要は無いぞ!苗字」
「・・・」
いやいや、普通は緊張しますから、煉獄さん。
それにしても、鬼殺隊のトップが私に何の用があるんだろう。
「失礼する!」
首を傾げていると、突然身体が宙に浮いた。
「ひゃっ!?」
「む、随分と軽いな!」
違った、煉獄さんに抱き上げられた。