• テキストサイズ

loop-ループ-いつか辿り着く世界【鬼滅の刃】

第9章 修行


「そう、なのですか?」
「煉獄家に伝わる炎の呼吸は日の呼吸の派生だ。要は日の呼吸が適さなかったが為に、炎の呼吸が生まれた訳だな。そして俺の刀は赤いだろう?つまりはそういう事だ!」

千寿郎君は未だ何か言いたそうにしていたが、杏寿郎さんに頭をポンポンとされた途端、小さく息を吐いた。
一先ず気持ちを切り替える事にしたみたい。

「兄上がそう仰るなら・・・」
「うむ!では千寿郎、早速だが型の稽古を始めるぞ!」
「はい!」

実際のところはどうなのだろう。
例えば炭治郎君は、日の呼吸と水の呼吸の両方を使用していた。
それはつまり、自分に一番適した呼吸でなくとも、使えなくはないのでは?
そうなると、杏寿郎さんは日の呼吸を使える、という事になる。
彼が何を思って『使わない』と言ったのかは、分からないけれど。


「あのー・・・杏寿郎さん、千寿郎君は炭治郎君達みたいに瓢箪を破裂させたりとか、やらないんですか?」
「瓢箪?」
「こう、大きな瓢箪に息を吹き込んで、パーンて感じの・・・」

確かそれで彼らは、常中が出来る様になったんだよね。

「ああ、常中の習得法か。胡蝶のところでは瓢箪を破裂させるんだったな。ふむ、千寿郎にもそろそろ常中を覚えさせる頃合いか・・・」

千寿郎君が拙い動きで型の稽古をする傍らで、杏寿郎さんは腕を組み熟考する。
杏寿郎さんの反応からして、どうやら常中の習得方法は他にもあるみたいだ。
まあどうやって覚えるにせよ、日の呼吸の習得との同時進行だ、千寿郎君には大変な道のりが待っているのだろう。

「あ、千寿郎君、そこ違うよ」
「え?」
「もうちょっと手首を返してみて」
「こ、こうですか?」
「うん、そうそう。そんな感じ」
/ 213ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp