第1章 死なせない
沸々と怒りが沸いてくる。
鬼にも悲しい過去があったからとか、結局は鬼舞辻に操られているからとか。
色々あるみたいだけど、それが何?
悪いけど、私は炭治郎みたいに優しくなれない。
「アンタ強くなりたいんだっけ?確か、至高の領域とやらを目指してる、とかなんとか・・・まあ、どうでもいいけど」
どこぞの原住民みたいな模様だらけの姿を半眼で見ていれば、鬼はハアハアと呼吸を乱しながら何かの拳法みたいな構えをとった。
「気持ち悪いなぁ・・・何でハアハアしてんの。冗談はその変な模様だけにしておいてよね」