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loop-ループ-いつか辿り着く世界【鬼滅の刃】

第6章 彼女の力


「・・・君の時戻りの力は、そんなに長い時を遡れるのか?見た限り君の年齢は俺と然程変わらんだろう。となれば、鬼の始祖が誕生した時代迄遡るなど不可能なのではないか?」

杏寿郎は腕を組んで名前に問い掛ける。
名前の時戻りは長くて精々半日、しかも長ければ長い程本人はバテてしまうし、そもそも狙って力を使う事が出来ない。

「記憶の無い私が使っていたアレは、力のほんの片鱗に過ぎないの。杏寿郎が私と感覚を共有出来たのは、私が無意識に意志力の強い人を使って自分に掛かる負担を軽減させてたから。・・・我ながら飽きれちゃうけど」

右の手の平を上に向け、名前はやれやれと肩を竦めた。

「この力を制御するにはちょっとしたコツがあるんだけど、何故かそれは力を与えられた時に自然と身に付いてたの。
それ自体は漠然としていて纏まりが無いから、転移先をしっかりと認識してそれの流れに意識を乗せて時空を跳ぶんだけど・・・って、どうしたの?変な顔して」
「むう、君の言う事は全くもって分からんな。・・・ところで、随分とこの場は静かだな。まるで俺達以外の時が止まっている様だ」

今更ながら、杏寿郎は異変に気付いた。
風も無く音も無く、付近の隊士達は皆その場で彫像の如く固まっている。

「あー・・・それ、私の所為」

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