第7章 その『理由(わけ)』
でも表情が優しいせいで今日の遥さんの意地悪はことごとく失敗していると思う。
思わずくす、と口に出して笑ってしまった。
まだ余裕あるな。遥さんがそう言ってさっきみたいに動いてきた。
「やん!」
熟れた果実に触れるみたいだった彼が瑞々しいそれを相手にするように変化した。
それと同じに私の反応も変わる。
ひっきりなしに喘いでしまうしゆらゆらと私の腰まで動く。
『旭はどこもエロ過ぎ』
またそんな彼の声が聞こえた気がした。
「旭、締めすぎだ」
「や、だめ、…で。そこ、嫌です」
遥さんの胸を軽く押して訴えてみるも、今度は目元が笑んだだけ。
こんな時の遥さんは1ミリの隙間もなく私に収まってる剛直の、彼自身みたいに容赦が無いのだと思った。
「嫌じゃない。けど、早過ぎるだろ。もうさっきみたいな顔してんぞ」
やっぱり少しだけ、強くなった。
まるで中で深い口付けを交わしてるみたいに。
「だっ…て、ぁん、ぁあ」
引くと押される。
隙間に入り込んで、体液を落とす。
絡んで、挟んで。
くすぐって、ぶつかって、塗り付けて、拡げて。