第6章 二夜…裏腹な私と彼
「…遥さんは、怖いです」
「そんな男にイかされんのはいいのか?」
そう言われてぐっと言葉に詰まった。
そんなの、私の方が訊きたい。
しかも以前も、今回もそうだ。
「それ、っは…だって」
「やっぱりイッたんじゃねえかよ」
「………」
軽い笑いと同時に私の肩にことんと彼の額が置かれた。
ふ、と口元から漏らしながらそれが微かに揺れている。
…うっかり彼に乗せられてしまった。
「それじゃ、どうせまだ敏感なんだろ? またドロドロに濡らしてんの」
こちらの肩の隙間からちらりと見てくる。
ただ面白がってるだけの気がする。
そんな事は無いです、動揺を隠すのに何だか棒読みになった。
「触ってそうだったら、また痛くするけど」
「……嫌です」
「旭、ああいうの好きだもんな」
これも苛められてるのだろうか。
やっぱりふざけているのだろうか。
それとも本気なのだろうか。
彼の表情が見えない。
「お願い…嫌です」
「じゃ、自分で確かめて教えろよ。早く」
「そんな、事」
「目の前でオナニー見せろとか言ってないだろ? ほら」
ひょいと頭を上げて元のように座り直した彼は言ってる内容は置いといて普通だった。