第5章 その日から二週間
私は少しだけ旧い機種の指紋認証のスマートフォンを持っていた。
眠っていた間にこちらの連絡先を手に入れたとしか考えられない。
それなら当然他の……和泉さんの連絡先、私の友人、職場、そんなものも?
そう考えるとぞっとした。
いっそ和泉さんに全て話してしまおうか、何度かそう思った。
だけどせめて、…せめて彼と体を合わせていたら。
肉体関係が全てではない。
だけど和泉さんとこれから育み合う筈だった。
他の男性と関係を持った、そんな事実を許してくれるだろうか。
もしも許してくれてもわだかまりが残るに決まっている。
自分が和泉さんの立場だったら思い悩んでしまうだろう。
あの男。
結局、何の目的で私に近付いたのだろう。
『あんたは奴の事をどれ位知ってる?』
彼の声が耳に残った。
彼は何を知っているのだろう。