第4章 一夜…恐れと嗜虐
この人は酷い男だ。
私を騙して無理矢理にこんな事をして。
許さない。
許されない。
なのに何で。
「…ッこっちに合わせて締めてくる、な。 ガキだなんて言って悪かった」
そんなに悦いのか、抱き込んだ首筋に吐息混じりの声。
うなじへと伝い顔が熱くなった。
何でこの人はこんな風に、私を守るみたいに抱くんだろう?
上体を離せるだけ離してそれに反発する様に彼を見返した。
「誰…っが」
だけどそんな私の態度は男の目を細めさせただけだった。
頭ごと戻されたかと思うと元のように抱え込まれる。
「イケよ。さっきの反応からしてコレは初めてなんだろ」
そんな小さな囁きが届き彼自身もぐうっと更に硬くなった。
それに気付いた時、先程からの波が私をまた覆って腰が震えた。
その部分に集中して溜まっていたそれが出処を探して溺れそうになる。
「…く、んんッ」
止めて、止めて。
「い」
和泉さん、そう言いかけた時に耳の端を噛まれた。
羽交い締めにされた胸の、その先を指先で軽く掻く。
「何も考えるな」
そうされると行き場が無くなり直接脳内に命令されたみたいだった。
彼が吐く息を飲み込み唇で挟んで。
耳の後ろから全部を食まれてそして。
「……ッァあぁッ!やぁっ」
切羽詰まった私に追い討ちをかけてきた。
ぴったりと合わさった内部をゴツゴツと穿つ。
急速に波が泡立ち迷う隙が掻き消された。
「………ッぁ、ぁあ」
とうとう溢れて弾ける。
手足の先がピンと張る。
目を見開いてそれでも抗おうとする意識が瞬間の声を殺してくれた。
『ゴメンナサイ』
そう心の中で叫びながら。