第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
桜は怒ってはいなさそうである事を確認すると取り敢えずニットに入ったままの杏寿郎の腕をそっと引き抜いた。
するとビクッと杏寿郎の体が揺れる。
それを受けて桜もビクッと肩を跳ねさせた。
そしてやっと杏寿郎の瞳が動くと桜の視線と重なる。
杏「変態…とは……最近話題の変態性欲の事だろうか…。君はどこでそれを……俺は…そうなのか……。」
「…えっ………あ、」
(…………へ、変態性欲って…なんだろう……。)
「それは…………ちょっと…分かんないです……。」
お互いに無言になると珍しく気落ちしている杏寿郎の様子から少し気まずい空気になり、桜は申し訳無さから眉尻を下げつつ自ら服を脱いで下着姿になった。
「きょ、杏寿郎さん……。変なこと言ってごめんなさい。好きに愛していいので元気を出っ」
その言葉を受けて直ぐに元気になった杏寿郎に桜の体力はみるみる奪われていった。
その後、やっと欲が収まった杏寿郎が昼餉前に要を飛ばすと『桜に変態性欲持ちだと言われたのだがどうすれば良いだろうか。』という文を受け取った天元は涙を流して笑いながら返事を書いたのだった。