第8章 覚悟と条件
何となく重くなった空気を変えるように、桜は箸を持つと元気よくぱんっと手を合わせた。
それを聞き千寿郎がびくっと肩を震わせたので、桜は少し申し訳なさそうに眉尻を下げる。
「では、改めていただきます!」
そう言うと桜は千寿郎ににこっと微笑みかけた。
千寿郎もほっとしたような顔になる。
「もう…美味しそうなのに食べられないのは拷問だね…温かいまま食べたかったなあ……。」
そう言いながらも、どんどん蕩けた幸せそうな顔になってぱくぱく食べていく。
それを見て千寿郎は嬉しそうにふわっと笑った。
千「とても美味しそうに食べてくれるんですね。」
そう言うと桜はハッとしたようにしてから照れて笑う。
「ふふ。それ、毎日言われてきた気がするよ。でも千寿郎くんのご飯は今までで一番!」
そう言いながら桜は花が咲くように笑った。