第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
千「父上、ご無理はなさらないで下さいね。」
槇「俺のは元気になどなっていないぞ!!」
千「………………?」
千(俺 "の" ……?と、とにかく元気になったんじゃなかったんだ…あとで癒猫様に伝えなくちゃ…。)
こうして焦った槇寿郎と心配する千寿郎の間で厄介な誤解が生まれてしまったのだった。
――――――
ユ『それは病気ではない。むしろ元気だ。良い機会だろう、いま深雪と子作りすると良い。』
男「は、はいっ!?」
深「わ、私達はただ鴉に導かれ 傷を癒やしに此処へ…、」
ユ『だが互いにそういう空気が出ている。てっきり番いだと思っていたのだが…そうではないのか。』
そう言われると男女は目を大きくさせたまま顔を見合わせる。
ユ『他にも呼んでる者がいる。次は怪我をした時に呼んでくれ。』
深「あっ…、ゆ、癒猫様……!」
ユ(…杏寿郎と桜が子作りをしだしてから近くの男が影響を受けるようになった。人は一斉に子を作るものなのか。)
夜から旅館の外の隊士の治療に勤しんでいたユキは今度は旅館の中でも忙しくしていた。
そしてユキもまた人という生き物に対して妙な誤解をしてしまった。
ユ(ここは煉獄家じゃないのだから杏寿郎もいい加減切り上げてくれると良いのだが子作りの邪魔をすると野暮になってしまう。野暮はしてはいけない事だと聞いた……困った…。)