第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
(…っ………何、してるの……?)
首筋の次は項へ移り、見える場所、見えそうな場所に跡を付けると着たばかりの浴衣をぐいっと引っ張り肩を出させる。
「むーーっ!!」
桜は既に約束を何度も破って散々おかわりを繰り返した杏寿郎がした行動に流石に眉を寄せ、弱点だと信じ切っている髪の毛を引く。
杏「む"っ」
杏寿郎は肩から顔を離すと優しく額に口付けた。
(『肩だけじゃなくてこっちも構って』って言ったんじゃない…!)
杏「肩だけに構ってすまなかった。」
桜が思った通りの事を口にすると杏寿郎は明らかに不満な顔をした桜の表情を見ないまま再び顔を下げて鎖骨を噛む。
痛みに桜が体を震わせるとそれに気が付いて今度は優しく唇で喰んだ。
杏「すまない。噛み癖が未だ直らんようだな。我慢はしているのだが。」
会話をしたい桜は顔を振るようにして手を退かして欲しいと意思表示をした。
杏寿郎は顔を上げて桜が少し怒っている様な目をしている事を確認すると少しだけ躊躇ったが素直に手を放した。