第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
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「継子…?蜜璃ちゃんみたいに隊士さんを育てるんですか?」
杏「うむ!今朝会ったろう!竈門少年と猪頭少年と黄色い少年だ!!」
「え!?三人も…!賑やかになりそうですね!それから多分…、伊之助くんと善逸くんですよ。」
杏寿郎の大雑把な呼び方に桜がくすくすと笑うと杏寿郎は微笑みを浮かべたまま桜をじっと炎色の目で見つめる。
「………?…何ですか?」
杏「何故知っている。それもいつの間に下の名で呼ぶ仲になったのだ。竈門少年は名字だろう。」
「…あ、たしかに…。伊之助くん達も蝶屋敷でたまたま会ったんですよ。竈門くんが下の名で呼ぶのでそのまま移ってしまいまして…。ですが皆十五才ですので!」
そう言って桜は得意気な顔をする。
杏「むぅ。確かに十五までは目を瞑ろうと思ったが、積極的に関わって良いとは言っていないぞ。」
「ですからたまたま、ですよ。人の姿になっちゃって竈門くんの病室に仕方なく慌てて入って…そこに二人が来ただけなんです。」
それを聞いて杏寿郎は笑みを消した。
杏「人の姿で男三人の中に居たのか。」
そう言われると桜も固まる。
しかし自身は悪いのだろうかと首を傾げると眉を寄せて杏寿郎を見上げた。
「で、ですが、十五才ですし、それにユキが勝手に姿を借り…っ」
杏寿郎はパシッと桜の口を片手で塞ぐと既に自身の噛み跡がある首筋へ天元に教えて貰った方法で赤い華を咲かせていった。