第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
「そ、そういう…わけじゃっ」
杏「どういう訳であっても駄目だろう!子が出来る出来ない以前の問題だ。他の男に指一本触れられる事さえも耐え難い!」
「そ、そん…治療…するん…だか、ら…、」
杏寿郎の剣幕に狼狽えた桜は反射的に宥めようとしてしまった。
それを聞いて杏寿郎は ぴたりと動きを止めると一度自身を抜いた。
杏「だから何だ。君は君の考えを正当化しようとしているのか?……よもや君は論点を忘れていないだろうな。」
そう言うと杏寿郎は ぐっと大きな燃える目を桜に近付けて額を合わせた。
杏「君が他の男に犯されても良いと思っていた事について、だぞ。君は全く反省していないな。それとも未だそう思っているのか。」
「ち、違いますっ!やだ……きゃあっ!!」
怒りから無意識に殺気を放った杏寿郎はうつ伏せになって思わず逃げようとした桜を自身の下にずり戻すと低い声を掛ける。
杏「今俺から逃げようとするとは思わなかったぞ。」
そう言いながら小さく震える項に噛み付くと桜はビクッと体を揺らした。
伝わる脈から杏寿郎は桜が心底緊張している事を感じた。
それに眉を寄せてゆっくりと口を離すと桜を仰向けにさせる。