第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
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食後、槇寿郎は再び風呂へ行き 風呂にまだ入っていなかった杏寿郎はそれに付き添った。
千寿郎は桜を一人にさせない様にと杏寿郎に強く頼まれた為、珍しく眉をキリッとさせていたが 桜は杏寿郎が出ていった途端ぽーっと魂が抜けたようになってしまった。
千「………桜さん…?どうしたんですか…?今日、ずっと様子がおかしいです……。」
それを聞くと桜は気が緩んだ為か顔を歪めて感情を表に出し千寿郎に視線を移す。
「千寿郎くんはさ………、私が……数年のうちに絶対にいなくなると知っても……お兄さんの奥さんに相応しいと思う………?」
千「………………え……?」
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槇「桜と何かあったのか。」
杏寿郎がその言葉に驚くと槇寿郎は眉を顰めた。
槇「お前がピリピリしているから口に出さなかっただけで気が付いていた。桜のやつ、輪にかけてぼんやりしているだろ。何なんだ。」
杏「分かりません。分かるのは任務の前後に何かあったという事くらいです。」
槇「…お前の死にかけた姿を見て…気が変わったのかもしれないな……。」
それは意地悪や無神経から出た言葉ではなく、元鬼殺隊士として同志に向けて出た意見だった。
杏寿郎は口を噤むと桜の泣き顔を思い出しながらおちょこを煽った。
杏「桜はそんなに弱い女性ではありません。」