第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
杏「うまいっ!」
槇「杏寿郎、少し声を、」
杏「うまい!!」
槇「声が大きい!!」
杏「うまい!!!」
槇「桜!笑ってないで『うまい!!!』…おい、黙らせろ!!」
「杏寿郎さんはお外でもこう『うまい!!』…ですよ。止められた事『うまい!!!』、ないです。」
槇寿郎は笑っていられる桜と千寿郎を信じられないという目で見た。
「そんな顔してないで食べましょう!んーっ!これどうやって作ってるんだろう…おいしいなあー。」
千「それは恐らく一度酢でしめてから他の具材と一緒に…、」
桜は千寿郎の正確な舌に脱帽すると共に『家でも作ります!』と張り切る千寿郎に眉尻を下げて微笑んだ。
千「だから…、どこかへ行かないでくださいね。」
杏「……千寿郎。」
杏寿郎は千寿郎がするっと放ってしまった言葉に思わず膝立ちになった。
千「………兄上?」
驚いて瞳を揺らす桜の隣で千寿郎が心配そうな顔を向けると杏寿郎は座り直して眉尻を下げて微笑む。
杏「いや、いつもの癖で茶を頼もうとしてしまった。すまない。」