第36章 任務同行
隠「前田!!炎柱様が本当にいらっしゃったぞ!!!」
(前田さん…私の隊服を作った人…?)
桜が好奇心から顔を覗かせようとすると杏寿郎はすぐに腕で制して自身の背中に桜を隠した。
前「初めまし、」
杏「以前、俺の継子にも変わった隊服を送ったのは君か!!胡蝶が着るものが普通の隊服なのではないのか!今回のもとても人に見せられる物ではないぞ!!」
それを聞くと杏寿郎の眼力に萎縮していた前田はピクッと体を揺らす。
前「炎柱様は見たのですね?どうでしたか?」
話が変な方向へ飛び杏寿郎は眉を寄せた。
杏「どうもこうもない!言っただろう、見せられる物では、」
前「お似合いでしたか?」
そう訊かれ、杏寿郎は一瞬言葉を詰まらせる。
(…杏寿郎さん………?)
前「似合っていませんでし、」
杏「堪らなく似合っていた!!だからこそ他の者に見せるのは許し難い!!!」
「杏寿郎さん!!!」
桜は前田と意見が一致してしまった杏寿郎の腕を慌てて掴み 諌めるように軽く引っ張る。