第36章 任務同行
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「わっ!!」
桜は風呂から出てすぐ杏寿郎に抱きかかえられると目を大きくさせてから困った様に首を傾げた。
杏「安心しろ!昨夜は寝れていないのでな、今日はあまり手を出さないつもりだ!!」
「は…はい……。」
『手を出さない』と断言はしない杏寿郎に桜は少し困ったように眉尻を下げたが すぐに嘘をつけない所を愛おしく思って小さく微笑んだ。
しかし―――…
(あれ……?杏寿郎さん…寝ちゃった……。)
桜は杏寿郎が何かしらはしてくると思っていたが、気取られないようにしつつも桜を想って酷く気疲れしていた杏寿郎はすぐに静かな寝息を立て始めた。
それに驚くも同じく気疲れしていた桜は杏寿郎の髪を優しく撫でてからすぐに瞼を閉じたのだった。
――――――
それから二回杏寿郎の任務に同行したが、杏寿郎があっという間に鬼を斬る為 桜が治療を施したのは初日の隊士だけであった。
それにも関わらず癒猫様の噂は瞬く間に広がってしまった。
そしてその噂の出処はユキが接した隊士からであった。