第36章 任務同行
槇「………何でもない。任務はどうだったんだ。」
杏「特に何事もなく、俺達が着く前に怪我を負った隊士の治療も桜が立派にこなしました!!」
そう言われると桜は微笑んで杏寿郎を見上げた。
杏寿郎もそれに明るい笑みを返す。
槇「そうか。今日はゆっくり休め。」
杏「はい!!」
「はい!」
二人が居間へ向かうと 人一倍気を揉んでいた槇寿郎は深く息をついた。
千「お夜食ではなく少し遅い夕餉になりましたね。」
「そうだね。早く帰れたのは杏寿郎さんのおかげだよー。本当にすごい人なんだね。他の隊士さんが三人がかりで手こずってた鬼をあっという間に倒しちゃったんだよ。」
千寿郎と桜は膳を運びながらふわふわとした笑みを浮かべていた。
桜は自身の膳を置くと杏寿郎を呼びに行き、千寿郎はその間に眉尻を下げながら自身の膳を運んだ。
杏「…千寿郎、まだ食べていなかったのか。」
千「の、喉を通らなくて…。」
そう恥ずかしそうに赤い顔で俯く千寿郎に桜は思わず頬を緩ませる。