第36章 任務同行
( "三人" 掛かり…もう一人はどこに…?まだ生きてるのかな……。)
杏「分かった!!少し離れてくれ!」
杏寿郎はそう言うと三人が返事をするよりも早く蔦の球体に向かって左下から斜め上に刀を振った。
型も使わず呆気なく固い防御を斬った事に 頭と片腕が欠けて呆ける鬼を含めその場の者が目を大きくしたが、当の杏寿郎は間髪入れず再び刀を振るう。
杏「炎の呼吸、壱ノ型―――不知火!!」
まるで炎をまとった様な刀身が鬼の首を呆気なく両断すると鬼は混乱して瞳を揺らしながらあっという間に塵となっていった。
隊ニ「炎の呼吸…と言えば一人しか………。」
一人の隊士が呆然としながらそう呟くと両脇にいた仲間に耳打ちをする。
隊三「柱!?」
杏「そうだがそれよりもう一人の隊士はどこだ!!」
慌てて案内されたその先には木にもたれて座り込んでいる隊士が居た。
隊一「おい!大丈夫か!?鬼は斬ったぞ!…俺等じゃないが!!」
隊四「え…?炎ばしっ、」
杏寿郎を見て大きな声を出しそうになった隊士は 固い蔦で内臓を傷付けられたのかすぐに顔を顰めて黙り込んだ。