第36章 任務同行
杏「初の任務同行で要らぬ心配をさせてしまったな!すまない!ただ気が張っていただけだ!!」
「了解です!!」
杏寿郎がいつもの笑みを取り戻したのを確認すると桜の不安も減り、脚に力がこもった。
―――
杏「居るな。」
「はい…。」
日が落ちた暗い森の中には不釣り合いな切羽詰まった声が響いていた。
声のする方へ駆けていくと少しひらけた場所に太い蔓のような物が絡み合って出来た 人の背丈程の歪な球体と三人の隊士がいた。
杏「あそこか。君は此処よりもっと下がって待機だ。鬼が動けば臨機応変にとにかく距離を取れ。首を斬るまでは絶対に出てきてはならないぞ。」
「はい。」
桜が抑えた声でしっかりと返事をすると杏寿郎は頭をぽんと撫でてから地を蹴った。
杏「鬼殺隊、階級甲!応援に来た!!状況を知りたい!!!」
隊一「甲!ありがたい、感謝します!!人を拐ってきてから中で喰っているのか今は蔓の様な物でああして閉じこもっています!」
隊ニ「今が好機だと思って三人掛かりで斬っているのだが固いし再生も速い…!!」
隊三「とにかく今のうちに早くどうにか…、また暴れだしたら手が付けられない!!」