第36章 任務同行
英語を用いた理由は ランプに必要な気体を分留する為にはマイナス二百度まで下げることが可能な冷却機が必要であり それを有する研究者は英語の読み書きが出来ると確信していたからだ。
(有名な論文は英語で書かれたのばっかりだもの。冷却機の発明も海外ばっかり…。研究者なら英語を読めない筈がない。それに専門用語は日本語だと逆に伝わらない可能性も高い…。でも槇寿郎さんに英語で書いたと説明するのはちょっと……、)
桜は続きを待っている三人を見て困った様な表情を浮かべる。
「……と、とにかく……伝わると…思います…。」
千「どの様に作るのですか?」
気まずそうにしていた桜は右隣の千寿郎の輝く瞳を見るとすぐに頬を緩ませた。
「丈夫なガラスにちょっと変わった空気を閉じ込めて電気を通すんだよ。」
杏寿郎はそのぼんやりとした説明から桜がそれ以上話したくないのだと察すると追求をやめて にこっと笑う。
杏「そうか!!お館様なら人脈もある!委ねる事は悪い選択ではないだろう!!」
その明るい声にほっとすると桜は杏寿郎に微笑みを返し まだ納得していなさそうな槇寿郎を見ない様にしながら再び箸を進めた。