第34章 緊急事態、柱合会議
「お嫁さんがいらっしゃるのでしょう?下心が無くてもこういう事をしたらお嫁さんも良い気はしないと思いますよ。」
桜は達する事も顔を赤らめる事も無く、只 悪戯をする幼い子を見るような目を天元へ向けていた。
天「煉獄ー、言ってたことと違うぞー。」
柱の中でも一番足が速い天元には追いつけず、口付けを阻止出来なかった事を確認すると杏寿郎は眉を顰めて桜を取り戻した。
杏「桜、本当にすまなかった。宇髄!して良い事と悪い事があるだろう!!流石にこれは許し難いぞ!!!」
そう言うと杏寿郎が柱達に背を向けて口付けをし直そうとした為、桜は驚いて自身の口を手で覆った。
「気持ちは分かりますが今は私情で動いちゃだめです。お家まで待ってください。証明も絶対にだめです。この後も会議があるのでしょう?その間 私どうしてたら良いんですか…?」
それを聞くと杏寿郎は一瞬ぐっと眉を寄せたがすぐに切り替えて穏やかな表情に戻り、桜を解放した。
杏「うむ。君の言う通りだな。」
そう言って努めて優しく頭を撫でると柱達を振り返って気持ちが良い程さっぱりとした声を出す。
杏「すまないが証明は出来なくなった!!だが二つ目の体質のことも覚えておいてもらいたい!よろしく頼む!!」
「よろしくお願いします…。」
(……皆 変な顔してる…。惚気みたいに思われたのは恥ずかしいけど、男の人を避けたい事を伝えられてよかった…。)
そう思うと桜は小さく息をついたのだった。