第34章 緊急事態、柱合会議
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(ナタグモ山……しのぶちゃんと冨岡さんの二人の柱が行く程の大変な任務だったんだ…。十二鬼月って本当に強いんだな……。)
室内でようやく行われた柱合会議に桜は参加とまではいかないが、部屋の隅で同席させて貰っていた。
ユキはお館様とずっと一緒にいたのか、隣で寛ぐように後ろ足を崩して座っていた。
桜が任務の大変さを実感していると、話題は隊士の質の低下に移る。
(……険悪な雰囲気…。不死川さん、あんなに優しそうだったのに鬼殺の話になるとやっぱり空気が変わるな……。ううん、皆纏ってる空気がピリッとしてる…。)
杏寿郎が首を斬ろうとしていた炭治郎に好意的な発言をすると桜はその杏寿郎らしいさっぱりとした思考に思わず微笑んだ。
(竈門くん、か。また会ったりするのかな…。)
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館「ではこれで柱合会議を終わりにする。集まってくれてありがとう。」
お館様の言葉に柱達が頭を下げると桜も慌てて下げる。
(もう暗い…。杏寿郎さんと帰るとは言え鬼が出る時間はユキの姿を借りたい…けど……、)
桜はそう思いながらちらっとお館様と話をするユキに目を遣った。