第34章 緊急事態、柱合会議
「………ちゃんと…?」
しのぶの言葉がふわふわとしていて何を意味するのか分からず、首を傾げて杏寿郎に答えを求めるも 杏寿郎も不可解そうな顔をしていた。
その後ろにいる天元は腕を組んで少し目を細めながら実弥を見下ろしている。
(……宇髄さんは何か知ってるのかな。でも何も言わない…。槇寿郎さんは宇髄さんのこと "根は非常識じゃない筈" って言ってた。多分今ここでしのぶちゃんが言葉を濁し、宇髄さんが話さないのは不死川さんの大事な何かに触れるからだ……。)
ちらっと杏寿郎を見上げると、杏寿郎もその空気を察した様子で 口を開く素振りは見せなかった。
実「ンな事分かってるに決まってんだろォ。くだらねェ事をわざわ、」
義「胡蝶の姉に似ているな。」
いつの間にか近くに来ていた義勇の言葉を聞くと 笑顔のままのしのぶと苛々が限界に達した顔の実弥の額にビキッと青筋が浮かんだ。
天「冨岡、来世ではもっと空気を読めるようになれよ。」
義「胡蝶と不死川と宇髄が一ノ瀬の元に集まっていたから空気を読んだ。」
実「読めてねェし呼んでもねェッ!!」
桜はそのやり取りを見ながら杏寿郎の側に寄って目を合わせる。