第34章 緊急事態、柱合会議
杏「これは堪らないな!見事に映っているぞ!!」
宇「何がだー?」
嬉しそうな声を聞くと 再び実弥から逃げてきた天元が杏寿郎の手元を覗こうとした。
「だ、だめっ!!やだやめてっ…ください!!!」
桜は珍しく大きな声を上げると天元の隊服を掴んで力一杯引っ張る。
しかし天元の巨体は微動だにせず、その代わりに桜の方が足を滑らせてバランスを崩してしまった。
杏「桜!!!」
杏寿郎は見事な尻餅をついて真っ赤になる桜の元へすぐ駆け寄ろうとしたが、飛んで来たしのぶが先に助け起こした。
し「大丈夫ですか…?」
「…は、はい!恥ずかしいな…またしのぶちゃんに助けられちゃいましたね。ありがとうございます!…それから……不死川さんも。」
桜はしのぶに微笑んだ後 遠慮気味に手を差し伸べようとした姿で固まっている実弥を見上げた。
実弥は笑い掛けられると再び眉を寄せて人相を悪くし 汗を流しながら顔を背けた。
(…やっぱり優しい人なんだ…。)
し「…不死川さん、ちゃんと桜さんに接して下さいね。」