第34章 緊急事態、柱合会議
実際に目の当たりにした傷を治せる力は認めたが、天元は桜が百年先の世から来たという話はさらさら信じていなかった。
天「そんな話信じる訳ねぇだろ。」
「じゃじゃーん。」
眉を寄せる杏寿郎をよそに桜は『待ってました!』と言わんばかりの明るい笑顔で懐から手のひら程の板を取り出した。
質問をしだす天元と杏寿郎に『待って下さいー。』を繰り返しながら操作すると、桜はずっと黙っていた実弥にそれを向ける。
「失礼します!不死川さん、一足す一は…?」
実弥は困惑して眉を顰め怖い形相になってしまったが、桜の方を見ると口を開いた。
実「ニ…。」
―――パシャッ
「ありがとうございます!嫌だったら後でちゃんと消しますので言ってください!」
三人が桜の笑顔に首を傾げると桜はスマホの画面を見せる。
「これが未来の道具です。証拠になりますよね…?」
そこには猫耳を生やした鬼の形相の実弥が映っていた。