第34章 緊急事態、柱合会議
実弥は桜が自身と同じくらいの歳の男に酷い暴行を受ける生々しい様をほんの初めだけではあったが確かに見た。
それが八年間続いたと聞き、更に悪意があるとも取れる様な言葉をかけてしまった為、桜に怖がられると思っていた。
だが桜は少し驚いた顔をした後ふにゃっと笑ってあろう事か走って寄ってきたのだ。
実弥がその様子に面食らい、肩を揺らしてから黙って汗を流すと桜は益々嬉しそうにする。
「わわ、ツンデレさんだったんだあ。今すごく優しい目をされてましたよ。さっきの言葉も正論ですし、きっと誤解され易い方なのですね。」
桜の心底嬉しそうな表情に実弥は顔を背けた。
それに桜がショックを受けていると杏寿郎が後ろから少し窘めるような声を出す。
杏「不死川にもそう感じるのか。意味は言わない方が良いと思うぞ。」
「槇寿郎さんと違いますよ…?槇寿郎さんは怖そうに見えて可愛い。不死川さんは怖そうに見えて優しい。…あれ?ツンデレじゃなくてギャップかなあ……。」
桜がそうして本人を目の前に悩みだすと天元が顎に手を遣って眉を寄せた。
天「つんでれ?ぎゃっぷ?どこで流行ってる言葉だ?」
杏「聞いていなかったのか!桜は先の世から来たと言っただろう!!」
天「それは聞いてたけどよ、」