第34章 緊急事態、柱合会議
それに目を見開く面々を見るとユキは得意げな顔をする。
ユ『桜の方が凄いぞ。私と違って人だから何処にでも行ける。』
その言葉の意味が分からず実弥は眉を寄せた。
実「治して頂いてありがとうございます。桜…さんは人なのですか。人ならばそれは珍しくないかと思うのですが どういった意味でしょう。」
そう問われるとユキは じっと実弥の体を見つめてから桜を振り返る。
ユ『桜。失くした四肢も治して良いと言われたのだろう?それならこの傷跡を消すことも出来るのではないか。』
「うーん…欠損じゃなくて傷跡ならとっても微妙なところだと思う……あの人は鬼殺の役に立つか立たないかしか考えてないよ…。」
そう言いながらも桜はすぐに実弥の前に走り寄った。
そして顕になっている前の肌を見ないように気を付けながら手早く済ませようと実弥の腕の傷に手を伸ばす。
しかし傷に対して感覚が狂っていた実弥は腕にある傷跡を無い様な物だと感じていた為 自然と隊服の前を開いて腹の大きな傷跡を見せた。
「………ッ!!」
実「この傷跡はもう随分時間が…経って……、」
実弥の視線の先で、桜は真っ赤になりながらも意志の強い目付きで抉れた様な傷跡を一撫でし、平らにした。