第6章 未来の鬼と大正の鬼
「はあ…落ち着いた…。」
桜はまだ赤い目で腕の中の千寿郎に微笑みかけた。
「ごめんね、びっくりしたよね。」
桜は申し訳なさそうに言う。
千「気にしないで下さい。」
千寿郎はほっとしたように笑いながら答えた。
「もう大丈夫だと思うから、今度はさっきの鬼を倒す人たちについて聞いてもいいかな?」
いつの間にか落としていた雑巾を拾いながら尋ねる。
千「はい!」
―――鬼殺隊。
それは政府非公認の鬼を狩る人々を指す。
廃刀令の下ったご時世だが、日輪刀という刀で闇夜に潜み人を喰らう鬼を狩ってくれる。
隊員は「滅」の文字が入った隊服に身を包み、全集中の呼吸によって体を強化して戦う。
千寿郎はまずざっくりと説明すると、少し誇らしそうな顔を桜に向けた。
千「兄も鬼殺隊の一員なんですよ!」