第34章 緊急事態、柱合会議
(柱の方に協力して貰えなければ私は役に立てない…お館様の意見にも反対する方がいるんだから気を付けなきゃ…。)
杏寿郎は桜が近くまで来ると下がって道を開け、意志の強い目を見て微笑む。
桜はそれに嬉しそうに目を細めると小さく頷いてからお館様の前まで歩き、スッと座った。
館「皆には挨拶を出来たのかな。」
「悲鳴嶼さん、胡蝶さん、伊黒さん、宇髄さん、甘露寺さん、時透さんには出来ました。」
そう言うとお館様は静かに頷く。
館「義勇、実弥、こちらは鬼殺隊に協力してくれる事になった一ノ瀬 桜という女性だよ。」
それに合わせるように桜は二人に向き直ってお辞儀をした。
桜は二人の紹介をして欲しくて再びお館様に視線を移したが、お館様は代わりに義勇と実弥に視線を送った。
すると荒れ狂っていた筈の実弥は桜と視線を合わせて静かな声を出す。
実「風柱の不死川実弥と申します。ご協力感謝致します。」
「こちらこそよろしくお願いします。」
桜はその落ち着いた雰囲気を意外に思いつつもお辞儀をした。
続いて義勇と呼ばれた男の方を向くとそちらからも静かな視線を向けられる。
義「冨岡義勇です。ご協力感謝します。」
「……よろしくお願いします。」
(…何柱なんだろう……。)
桜が少し戸惑った様にすると実弥が舌打ちをした。