第34章 緊急事態、柱合会議
(とても危険な子には見えない…って思うのは私が直接鬼を見ていなくて考えが甘いからなのかな……。)
そう思いながら数多くの鬼を見たであろう杏寿郎の背中を見つめていると 柱達は炭治郎の処遇について会話をし始めた。
杏「鬼もろとも斬首する!」
(……………え……?)
会話の中で杏寿郎がハキハキとあまりにも不穏な事を言い放った為 桜は絶句した。
(槇寿郎さんに忠告されたから目の前で鬼の首が飛ぶ覚悟はしてたけど、人の首まで飛ぶ可能性があるの…?でも杏寿郎さんはいつも真っ直ぐだから…今のも本気で言ってる、はず……。)
そう動揺していると、九人目の柱が現れて持っていた猫が入る程度の大きさの箱を刀で刺した。
桜は最初その行動が何を意味するのか分からなかったが、炭治郎の異常な反応と刀に付いた血を見て その小さな箱に鬼の妹が入っているのだと気付き目を大きくさせた。
(そんな……首を斬れば良いんじゃないの…?わざわざ痛めつけるのを見せるなんて…。あんな残酷なことをする程あの人にとって竈門くんのした事は許しがたい事なんだ…。でも…それでも…さすがにあれは酷すぎるんじゃ……。)
桜は酷く怒った炭治郎が『不死川』と呼ばれる男に頭突きする姿を見ながら髭を下げた。
(しのぶちゃんや蜜璃ちゃん…と端っこの人以外、止めようとしないなんて……。あの悲鳴嶼さんでさえ殺そう、なんて…。)
そう意識の違いを痛感して俯いていると 覚えのある柔らかく聞き心地の良い声が響いた。