第34章 緊急事態、柱合会議
目元以外を隠した人がおぶって連れてきたのは まだあどけなさが残る少年だった。
(え…?あの子が鬼を連れた隊士の竈門炭治郎……くん?大人だと思ってた…。鬼はどこに…?あの子気絶してるのかな…酷い傷…。治してあげたいけど……、)
そう思いながら桜は腕を組んでいる杏寿郎の顔をそっと盗み見る。
笑顔を作ってはいたが、目が笑ってない。
それを確認すると治療は諦め、自身が加わるべきでない話題が終わるまで待とうと思い 下がって池の畔にある植木の陰に隠れるように座った。
(柱の方は全員で七人なのかな………あれ?)
いつの間にか庭の端に立っている男性を見つけ桜は思わず伸び上がる。
(な、なんであんな端に…挨拶しそびれちゃった……。)
男「起きろ。…起きるんだ。」
運んできた男が声を掛けるも炭治郎はなかなか起きない。
「いつまで寝てんだ、さっさと起きねぇか!」
その荒い声に桜がビクッと体を震わせて名が分からない柱から炭治郎へ視線を移すと、炭治郎は起きて混乱したようにきょろきょろと周りを見ていた。
その様子があまりにも普通の少年らしくて、怪我をしながらも縛られている痛々しい姿に桜は辛そうに目を細める。