第34章 緊急事態、柱合会議
「わあ…っ!顔も髪も声も雰囲気も可愛いのに、名前まで可愛いなんて…!!見てるだけで幸せな気分になっちゃいます…。」
桜がそう独特な柔らかい声を出すと蜜璃は一瞬とても驚いたような顔をしたがすぐに ふにゃっと微笑んだ。
蜜「そんなに褒めてくれるなんて嬉しいわ!それに髪の色まで褒められるなんて…。猫さんにも桃色は珍しいでしょ?」
蜜璃がそう微笑んだまま眉尻を下げると桜はその瞳に僅かに複雑そうな色が混じった気がして 明るい蜜璃の雰囲気とのちぐはぐさに口を薄く開いて少し固まる。
「…ひ、人ならいます!桃色の他にも緑、青、赤、金…大体の色は見た事が…、」
小「妄言を吐くな。甘露寺から早く離れろ。」
警戒心を剥き出しにした声の方を見ると木から降りた小芭内が歩み寄ってきていた。
杏「小芭内!!!桜の嘘は大変分かり易いので今のは本当だぞ!!!!」
更に逆方向から聞こえた声に視線を移すと同じく歩いてきた杏寿郎が仲裁するように小芭内と桜の間に立った。
蜜璃は戸惑ったような顔で二人の顔を交互に見つめていたがハッとすると勢い良く頭を下げる。
蜜「煉獄さん、伊黒さん、お久しぶりですっ!!」
誰へも挨拶をしていなかった事に気が付き酷く慌てる蜜璃の様子を見て、桜は微笑ましそうに目を細めた。