第34章 緊急事態、柱合会議
杏「この場に私情を持ち込むべきでないと俺も勿論分かってはいるが、君はもう少し婚約者を思い遣ってくれても良いのではないか…?昨夜君を満足させる為に五回目は随分と長く愛してあげただろう。もしそうしていなければ今頃、」
「も、元々は杏っ…煉獄さんが……っ!!」
杏「俺が言ったのはそれだぞ!!何故俺を煉獄さんと、」
天「なんだァ!?随分とド派手な猫だな!!」
話を遮られ、更に誰が来たのかを察するとタイミングの悪さに杏寿郎は眉を寄せた。
「わ、この方もおっきいなあ……。」
桜が思わず思った事を口にすると 杏寿郎の後ろに音を立てずに現れた天元は動きを止める。
杏寿郎は貼り付けたような笑みを浮かべると立ち上がってバッと天元を振り返った。
杏「君には柱合会議に連れてくると話しただろう!!桜だ!桜、この男が手紙をくれた音柱の宇髄天元だ!!」
「あ!あのお嫁さんが三人の宇髄さん…!一ノ瀬 桜と申します、よろしくお願いします!!」
天元は暫く感情を隠す様な微笑を浮かべて二人を見ていたが、一瞬だけ現実逃避するような遠い目をしてから意地の悪い笑みを浮かべた。