第34章 緊急事態、柱合会議
「一ノ瀬 桜と申します。どうぞよろしくお願いします。」
小芭内は杏寿郎に信用出来ると断言されても 二度目の自己紹介をする桜にまだ胡散臭そうなものを見る目を向けていた。
小「どの様な訳があれば人が猫に化ける。信用出来ない。鏑丸も見た事がない程に警戒している。」
「鏑丸…古風で素敵な名前…。あ、古風も何もここは大正時代か……。」
桜が白蛇を見ながら何気なくそう言うと小芭内は更に不審がってあからさまに眉を寄せる。
杏寿郎は微笑んで腕を組みながらそんな二人の様子を交互に見ていたが、小芭内の頑として拒絶する空気を認めるとその場から遠ざかるように桜の尻を押した。
「え!?きょ…煉獄さん!!もう少し白蛇さん見たいです!テレビでしか見たことないのに!あとお尻触らないで!!」
杏「残念だが君は今話しても小芭内に好かれそうにない!!」
「えっ…………。」
人に嫌われる事に慣れていない桜はあからさまに動揺し 離れた場所で片膝ついた杏寿郎の胸に顔を埋めたまま喋らなくなった。
その様子に杏寿郎は無意識に嬉しそうな笑顔を浮かべ 慰めるように背中を撫でながら桜の耳元に口を寄せた。